特集

アガサ・クリスティーおすすめ、最初の一冊の選び方 ―ポアロ・マープル・ノンシリーズ、タイプ別にどれから読むか

「ミステリの女王」クリスティーは作品が多すぎて迷いがち。ポアロ・マープル・ノンシリーズの3系統から、あなたに合う最初の一冊を案内します。

目次

「クリスティーを読んでみたい。でも作品が多すぎて、どれからか分からない」——“ミステリの女王”を前に、誰もが最初につまずくのがこの壁です。

答えは、思うよりずっとシンプル。クリスティーの長編は、大きく ①名探偵ポアロ ②ミス・マープル ③ノンシリーズ の3系統に分かれます。あとは、あなたの気分に合う入口を選ぶだけ。タイプ別に、最初の一冊をご用意しました。

こんな読者のための作家です

  • 一度はミステリの「原典」に触れておきたい
  • 映像で見た名作を、活字で味わい直したい
  • どれを選んでも間違いのない、絶対の安心銘柄がほしい
以下、仕掛けには指一本触れていません。安心してお読みください。

アガサ・クリスティーとは

1890年、英国生まれ。70作に迫る長編を遺し、その著作の累計発行部数は「聖書とシェイクスピアに次ぐ」とまで称される、文字どおり世界一売れた小説家です。卵形の頭を持つベルギー人探偵エルキュール・ポアロと、英国の田舎に住む老婦人ミス・マープル——二人の不滅の名探偵を生み出したのも、彼女の筆でした。

まず1冊だけ選ぶなら

系統で迷うより、まずは“間違いない一冊”から。タイプ別の入口は、下の表のとおりです。

あなたのタイプ最初の一冊
とにかく最高傑作をそして誰もいなくなった
華やかな名探偵が好きオリエント急行の殺人(ポアロ)
穏やかな人間ドラマを予告殺人(マープル)

迷ったら、『そして誰もいなくなった』。シリーズの予備知識ゼロで飛び込め、しかもクリスティー最高傑作との呼び声も高い——入門と頂点を同時に味わえる、贅沢な一冊です。

そして誰もいなくなった 表紙

そして誰もいなくなった(1939・ノンシリーズ)

デヴォン州の沖に浮かぶ兵隊島へ、十人の男女が招かれます。互いに面識はなく、手にしている招待状の文面もそれぞれ違う。ハーレー街の医師、威厳ある判事、無骨な刑事、信心深い老嬢、老将軍、神経質な秘書——年齢も職業も重ならない顔ぶれです。ところが屋敷に着いても、招いたはずのオーエン夫妻は姿を見せません。主のいない邸宅で初対面の挨拶をかわしたその晩、食卓に奇妙な声が響き、居合わせた一人ひとりの名を挙げて過去の罪を暴き立てていきます。

入門の一冊目にこれを挙げるのは、シリーズ探偵がいないからです。ポアロもマープルも出てこないので、前の巻を読んだかどうかを気にせずに飛び込める。どこから入ろうか迷っている人にとって、これほど身軽な入口はありません。書いた本人にとっては逆で、看板の名探偵に頼らず一篇を組み上げる仕事は、すでに頂点にいた作家が「あまりに難しく、それゆえに強く惹きつけられた」と振り返るほどの挑戦でした。世界累計1億部超。何も知らずに最初のページを開ける幸運がまだ手元にあるなら、使う先はここです。

① 名探偵ポアロから入る

灰色の脳細胞を誇るベルギー人探偵。華やかな舞台と、鮮やかな幕切れが身上です。事件そのものの面白さで引っ張りたい人は、この系統から。

  • オリエント急行の殺人(1934)― 雪の寝台列車という名舞台。映像化も多く、入りやすさは随一。 ▶ レビュー »/Amazon »
  • アクロイド殺し(1926)― ミステリ史を二分した、語り口の革命。ポアロ初体験にも。 ▶ レビュー »/Amazon »
  • ナイルに死す(1937)― 豪華客船を舞台にした、旅情ミステリの代表格。 ▶ レビュー »/Amazon »
  • スタイルズ荘の怪事件(1920)― デビュー長編にしてポアロ初登場作。灰色の脳細胞とヘイスティングスの呼吸は、ここですでに完成しています。 ▶ レビュー »/Amazon »
  • ABC殺人事件(1936)― 「ABC」と署名された予告状が届き、アルファベット順に事件が起きる。挑戦状型・見立て連続殺人の古典。 ▶ レビュー »/Amazon »

② ミス・マープルから入る

英国の片田舎に住む老婦人が、村で培った人間観察の知恵で難事件を解く。穏やかな筆致と、滲み出る人間ドラマを好む人に。

予告殺人 表紙

予告殺人(1950)

戦後まもない英国の架空の村チッピング・クレグホーン。配給の記憶がまだ生々しい、穏やかな田舎の共同体です。ある朝、村人たちが手にした地方紙の個人広告欄に、場違いな数行が紛れ込んでいました。「殺人をお知らせ申しあげます。十月二十九日金曜日、午後六時三十分より、リトル・パドックスにて」。たちの悪いいたずらか、風変わりな招待状か。半信半疑のまま好奇心に負けた村人たちは、その夕刻、名指しされた屋敷へ足を向けます。

マープルから入るならこの一冊です。村という共同体の手ざわりが、シリーズでもっとも濃い。時計が六時半を打った瞬間、灯りがふつりと落ち、闇のなかで銃声が轟く。予告があり、人が集まり、そして本当に何かが起きる。導入の鮮やかさは長く語り継がれてきました。捜査にあたるのはクラドック警部。ミス・マープルは中盤からおもむろに姿を現します。老婦人の人間観察の知恵は、顔なじみばかりの小さな社会でこそ本領を発揮します。クリスティ生涯50作目の記念として1950年に刊行された、マープル物の最高峰です。

  • 書斎の死体(1942)― 「うちの書斎に死体があるのよ」。探偵小説の常套句を、確信犯的に逆転させた一作。 ▶ レビュー »/Amazon »
  • パディントン発4時50分(1957)― 並走する列車の窓越しに目撃された殺人。発端の鮮やかさが光ります。 ▶ レビュー »/Amazon »

読む順番に、決まりはある?

ポアロもマープルも、基本的にどの巻から読んでも大丈夫です。探偵の人となりさえ掴めば、どこからでも楽しめます。気になった舞台やあらすじから手に取ってください。

ただし、例外が二つあります。ポアロの『カーテン』とマープルの『スリーピング・マーダー』は、どちらも探偵の最後の事件として書かれた作品で、必ずシリーズの最後に読んでください。また、シリーズ全体を追うつもりなら、第1作の『スタイルズ荘の怪事件』と『牧師館の殺人』から始めるのが自然です。刊行順の全巻一覧は、次の二つの特集にまとめました。

よくある質問

Q. ポアロとマープル、どちらから読むべき?

A. 派手な事件と名探偵の活劇が好きならポアロ、人間模様とさりげない観察を味わいたいならマープル。気分で選んで大丈夫です。

Q. 全部読むなら、どの順番?

A. 厳密な順序は不要ですが、第1作から入り、『カーテン』『スリーピング・マーダー』を最後に残すのが基本です。刊行順の一覧はポアロ・マープルの特集をご覧ください。

Q. 古い作品だけど、いま読んでも面白い?

A. ご心配なく。プロットの強度は時代を超えます。新訳も多く、初めての読者にも読みやすい環境が整っています。


一世紀近く前に書かれた物語が、いまも世界中で読まれ続けている。その理由は、最初の一冊を閉じた瞬間に、きっと腑に落ちるはずです。

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アガサ・クリスティーの作品一覧

スタイルズ荘の怪事件 表紙画像
黄金期英国古典

スタイルズ荘の怪事件

アガサ・クリスティー
クリスティのデビュー長編にしてポアロ初登場作。ミステリの女王の出発点を体験できる一冊。
★ イチオシ#クセの強い天才探偵#シリーズの幕開け
ゴルフ場殺人事件 表紙画像
黄金期英国古典

ゴルフ場殺人事件

アガサ・クリスティー
ポアロ第2長編。仏国警察のジロー警部と捜査スタイルがぶつかる、欧州大陸を舞台にした初期作。
★ イチオシ#クセの強い天才探偵
アクロイド殺し 表紙画像
黄金期英国古典

アクロイド殺し

アガサ・クリスティー
本格ミステリ史を変えた一作。100年経っても読書体験の衝撃が古びない
★ イチオシ#物語の前提が崩れる#とにかく騙されたい
ビッグ4 表紙画像
黄金期英国古典

ビッグ4

アガサ・クリスティー
国際犯罪組織との対決を描く異色のポアロ長編。雑誌連載の短編12編を再編した一冊。
★ イチオシ#クセの強い天才探偵#ページをめくる手が止まらない
青列車の秘密 表紙画像
黄金期英国古典

青列車の秘密

アガサ・クリスティー
寝台列車での宝石殺人事件。クリスティが「いつも嫌いな本」と振り返る過渡期のポアロ長編。
★ イチオシ#クセの強い天才探偵
牧師館の殺人 表紙画像
黄金期英国古典

牧師館の殺人

アガサ・クリスティー
ミス・マープル長編デビュー作。セント・メアリ・ミード村を初めて舞台に据えた一冊。
★ イチオシ#おばあちゃん探偵#村社会・閉鎖共同体
謎のクィン氏 表紙画像
黄金期英国古典

謎のクィン氏

アガサ・クリスティー
社交界に通じた老紳士サタスウェイトが、絶妙のときに現れては霧のように消えていく謎めいた男ハーリ・クィンと出会い、彼との対話を通じて数々の謎を解き明かしていく連作短編集。クィンの名は16世紀イタリアの即興喜劇コメディア・デラルテの道化ハ...
#通勤30分で1話#怪奇と幻想の香り
シタフォードの謎 表紙画像
黄金期英国古典

シタフォードの謎

アガサ・クリスティー
雪に閉ざされたダートムア湿原のシタフォード荘で行われた冬の降霊会で、霊は告げる——「6マイル離れたエクスハンプトンに住むトリヴェリアン大佐が、いま殺された」。半信半疑のまま大佐の旧友バーナビー少佐が猛吹雪の中を確認に向かうと、書斎で撲...
#館・クローズドサークル#怪奇と幻想の香り
火曜クラブ 表紙画像
黄金期英国古典

火曜クラブ

アガサ・クリスティー
ミス・マープル初期短編13編。語りを聞くだけで真相に至る、肘掛け椅子探偵の原型。
★ イチオシ#おばあちゃん探偵#通勤30分で1話
邪悪の家 表紙画像
黄金期英国古典

邪悪の家

アガサ・クリスティー
コーンウォール海岸の屋敷を舞台に、若い女主人を狙う「事故」を追うポアロの中期長編。
★ イチオシ#クセの強い天才探偵#とにかく騙されたい
エッジウェア卿の死 表紙画像
黄金期英国古典

エッジウェア卿の死

アガサ・クリスティー
米国人女優が夫との離婚を望むやいなや夫が殺害される、社交界を舞台にしたポアロ長編。
★ イチオシ#クセの強い天才探偵#とにかく騙されたい
オリエント急行の殺人 表紙画像
黄金期英国古典

オリエント急行の殺人

アガサ・クリスティー
雪原で立ち往生する国際急行の一夜。クリスティ自身がお気に入り10作に挙げた代表作。
★ イチオシ#週末をまるごと溶かす#とにかく騙されたい#館・クローズドサークル
三幕の殺人 表紙画像
黄金期英国古典

三幕の殺人

アガサ・クリスティー
晩餐会で穏やかな牧師が突然の死。三幕に分かれる舞台劇的構成のポアロ中期長編。
★ イチオシ#クセの強い天才探偵#とにかく騙されたい
なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか 表紙画像
黄金期英国古典

なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか

アガサ・クリスティー
牧師の息子ボビー・ジョーンズは、ゴルフ場の崖下で瀕死の男を見つけます。男が遺したのは『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか』という不可解な一言。ボビーは旧友のフランキー(フランシス・デヴェント令嬢)とともに、その言葉の意味を追っていきま...
#軽妙・ユーモア#凸凹コンビ・相棒
パーカー・パイン登場 表紙画像
黄金期英国古典

パーカー・パイン登場

アガサ・クリスティー
官庁で長年統計の仕事に携わったのち退職したパーカー・パインが、「あなたは幸せですか。もしそうでないなら、パーカー・パイン氏にご相談ください」という新聞広告を掲げ、人々の不幸や悩みを引き受けていく連作短編集。前半は英国での相談事、後半は...
#通勤30分で1話#軽妙・ユーモア
雲をつかむ死 表紙画像
黄金期英国古典

雲をつかむ死

アガサ・クリスティー
パリ発ロンドン行き旅客機の客室で起きる事件。空のクローズドサークル本格。
★ イチオシ#クセの強い天才探偵#館・クローズドサークル#不可能犯罪・密室
メソポタミヤの殺人 表紙画像
黄金期英国古典

メソポタミヤの殺人

アガサ・クリスティー
舞台はイラクの考古学発掘現場。クリスティ自身の中東体験が反映された異色のポアロ長編。
★ イチオシ#館・クローズドサークル#歴史・異国ミステリ
ひらいたトランプ 表紙画像
黄金期英国古典

ひらいたトランプ

アガサ・クリスティー
4 人の容疑者、4 人の探偵。心理推理に振り切ったクリスティ中期の異色長編。
★ イチオシ#クセの強い天才探偵#頭をフル回転させたい
ABC殺人事件 表紙画像
黄金期英国古典

ABC殺人事件

アガサ・クリスティー
アルファベット順に進む連続殺人。挑戦状型・見立て連続殺人の本格古典。
★ イチオシ#頭をフル回転させたい#見立て・暗号
もの言えぬ証人 表紙画像
黄金期英国古典

もの言えぬ証人

アガサ・クリスティー
老婦人の遅れて届いた手紙からポアロが過去をたぐる、犬テリアが鍵の田園本格。
★ イチオシ#クセの強い天才探偵
ナイルに死す 表紙画像
黄金期英国古典

ナイルに死す

アガサ・クリスティー
ナイル川の観光蒸気船で起きる事件。エジプト旅行体験を反映した中期長編の代表作。
★ イチオシ#クセの強い天才探偵#とにかく騙されたい#歴史・異国ミステリ
死人の鏡 表紙画像
黄金期英国古典

死人の鏡

アガサ・クリスティー
エルキュール・ポアロが登場する中編四作を収めた作品集。表題作「厩舎街の殺人」をはじめ、「謎の盗難事件」「死人の鏡」「砂にかかれた三角形」を収録する。1930年代後半、クリスティーが充実期を迎えていた頃に書かれた長めの物語ばかりで、いず...
#通勤30分で1話
死との約束 表紙画像
黄金期英国古典

死との約束

アガサ・クリスティー
ペトラの赤い岩肌と死海の塩。中東を舞台にしたポアロ長編のなかでも、本作はとりわけ「被害者を描き切ること」に紙幅を費やした逸品。ボイントン夫人という存在が放つ重圧、それを浴び続けた家族の歪み。動機の側から事件を立ち上げる手つきは、後年の...
#とにかく騙されたい
ポアロのクリスマス 表紙画像
黄金期英国古典

ポアロのクリスマス

アガサ・クリスティー
クリスティー中期の代表作のひとつ。義兄からの「もっと血の気の多い殺人を」という注文に応えて書かれたとされ、暴君的な老富豪サイメオン・リーが招集した一族集結のクリスマスを舞台に、内側から施錠された部屋での流血の惨劇を描く。黄金期英国カン...
#とにかく騙されたい#不可能犯罪・密室#館・クローズドサークル
そして誰もいなくなった 表紙画像
黄金期英国古典

そして誰もいなくなった

アガサ・クリスティー
孤島に集められた 10 人。世界でいちばん売れたミステリの、決して色褪せない不動の古典。
★ イチオシ#館・クローズドサークル#とにかく騙されたい#見立て・暗号
殺人は容易だ 表紙画像
黄金期英国古典

殺人は容易だ

アガサ・クリスティー
ロンドン行きの列車で、ルーク・フィッツウィリアムは老婦人ピンカートンから『村で連続殺人が起きている』と打ち明けられます。やがてその彼女自身の訃報を知ったルークは、ウィッチウッド・アンダー・アッシュ村へと向かいます。ポアロもマープルも登...
#村社会・閉鎖共同体
杉の柩 表紙画像
黄金期英国古典

杉の柩

アガサ・クリスティー
「私はメアリィ・ジェラードを殺していません」——被告人席に立つエリノア・カーライルの独白から幕を開ける、クリスティーがポアロもので初めて法廷劇の構造を本格導入した記念碑的長編。タイトルはシェイクスピア『十二夜』の歌から。1940年刊、...
#とにかく騙されたい
愛国殺人 表紙画像
黄金期英国古典

愛国殺人

アガサ・クリスティー
ポアロが通いつけの歯科医モーリィ。診察を終えてベルグレイヴ広場の診療所を後にしたほんの数時間後、その当のモーリィが拳銃自殺の姿で発見される——歯科医という、誰もが平等に怯える日常的舞台に潜む違和感を、マザーグース「いち、にい、わたしの...
#とにかく騙されたい#見立て・暗号
白昼の悪魔 表紙画像
黄金期英国古典

白昼の悪魔

アガサ・クリスティー
英国デヴォン州沖、潮の引いた砂州で本土とつながる小さなスマグラーズ島。リゾートホテル〈ジョリー・ロジャー〉に避暑へやってきたポアロは、客のひとり元女優アリーナ・マーシャルの周囲に漂う不穏な空気を感じ取る。ある朝、入江の砂浜で絞殺死体と...
#とにかく騙されたい
NかMか 表紙画像
黄金期英国古典

NかMか

アガサ・クリスティー
第二次世界大戦下の英国。情報部から、暗号名「N」と「M」で呼ばれるナチスの大物スパイを海辺の下宿宿サンスーシの滞在客のなかから見つけ出せという密命を受けたトミーは、妻タペンスには内緒で任地へ向かう。だが一筋縄ではいかないタペンスも独自...
#凸凹コンビ・相棒#軽妙・ユーモア
五匹の子豚 表紙画像
黄金期英国古典

五匹の子豚

アガサ・クリスティー
16年前、母キャロライン・クレイルは画家である父エイミアスの毒殺で有罪判決を受け獄中で病死した——しかし母は娘カーラに「私はやっていない」と書き残していた。事件はとうに終わり、現場も証拠も失われている。残るのは当時居合わせた5人の記憶...
#とにかく騙されたい
書斎の死体 表紙画像
黄金期英国古典

書斎の死体

アガサ・クリスティー
朝、Bantry大佐邸ゴシントン・ホールの書斎で、見知らぬ若い金髪の女が銀のスパンコール・ドレスのまま、暖炉前のラグに倒れている――この一行のためだけに書かれたような長編。クリスティ自身が「序文」で、書斎の死体は探偵小説のクリシェだと...
#村社会・閉鎖共同体
動く指 表紙画像
黄金期英国古典

動く指

アガサ・クリスティー
飛行機事故の療養のためデヴォンの小村リムストックへ越してきた元パイロットのジェリー・バートンと妹ジョアンナのもとに、「お前たちは兄妹ではなく愛人同士だろう」と告げる匿名の手紙が届く。やがて同じような毒のある手紙(poison-pen...
#村社会・閉鎖共同体
ゼロ時間へ 表紙画像
黄金期英国古典

ゼロ時間へ

アガサ・クリスティー
海辺の館ガルズ・ポイントに、テニス選手ネヴィル・ストレンジが現妻と前妻をともに連れて訪れる――その不穏な滞在から物語は動き出します。犯罪が物語の中盤に起こる逆算的な構成が特徴で、クリスティーが手がけたスコットランド・ヤードのバトル警視...
#とにかく騙されたい#心理サスペンス
死が最後にやってくる 表紙画像
黄金期英国古典

死が最後にやってくる

アガサ・クリスティー
舞台は古代エジプト、テーベ。神官の家に暮らす娘レニセンブを中心に、一族のあいだで不審な死が相次ぎます。クリスティーの全作品のなかで唯一20世紀を舞台にせず、ヨーロッパ人が一人も登場しない異色作。歴史小説とフーダニットを長編で結びつけた...
#歴史・異国ミステリ
忘られぬ死 表紙画像
黄金期英国古典

忘られぬ死

アガサ・クリスティー
一年前、レストラン〈ルクセンブルク〉の晩餐の席で、ローズマリー・バートンがシャンパンを飲んで急死しました。自殺と判断されたその死をめぐり、夫ジョージのもとへ『妻は殺された』とほのめかす匿名の手紙が届きます。クリスティー作品でおなじみの...
#心理サスペンス
N° 768
ホロー荘の殺人
アガサ・クリスティー
黄金期英国古典

ホロー荘の殺人

アガサ・クリスティー
アンカテル家の週末の別荘ホロー荘。昼食に招かれたポアロが庭のプールに着くと、医師のジョン・クリストウが撃たれて倒れ、傍らに拳銃を握った妻ガーダが立ち尽くしていました。あまりに絵のように整った光景に、ポアロは自分をもてなす悪趣味な余興か...
#名探偵に身を任せる#英国情緒
ヘラクレスの冒険 表紙画像
黄金期英国古典

ヘラクレスの冒険

アガサ・クリスティー
私立探偵の引退を決めたエルキュール・ポアロが、自らの名の由来であるギリシア神話の英雄ヘラクレスの十二の功業になぞらえ、最後に手がける事件を選ぶという趣向の連作短編集。「ネメアのライオン」から「ケルベロスの捕獲」まで、神話の各功業に対応...
#通勤30分で1話
検察側の証人 表紙画像
黄金期英国古典

検察側の証人

アガサ・クリスティー
表題作は法廷劇短編の古典。クリスティの短編11編で「もう一つの顔」に出会える。
★ イチオシ#通勤30分で1話#とにかく騙されたい
満潮に乗って 表紙画像
黄金期英国古典

満潮に乗って

アガサ・クリスティー
戦後英国の村ウォームズリー・ヴェイル。一族を支えていた大富豪ゴードン・クロードがロンドン空襲で急死し、財産は再婚相手の若い未亡人ロザリーンに渡る。庇護を失ったクロード家の人々が宙吊りになっているところへ、村の宿〈スタッグ〉に「イーノッ...
#とにかく騙されたい
ねじれた家 表紙画像
黄金期英国古典

ねじれた家

アガサ・クリスティー
大富豪アリスタイド・レオニデスが毒殺され、一つ屋根の下に暮らす一族の全員が容疑者となります。語り手は、孫娘ソフィアと婚約した青年チャールズ・ヘイワード。シリーズ探偵を置かない単発作で、クリスティー自身が『無実はさいなむ』とともに自作の...
#館・クローズドサークル#とにかく騙されたい
予告殺人 表紙画像
黄金期英国古典

予告殺人

アガサ・クリスティー
クリスティ生涯50作目の記念碑として送り出された、マープル物の最高峰と名高い一作。舞台は戦後英国の架空の村チッピング・クレグホーン。地方紙の個人広告欄に「殺人をお知らせ申しあげます。十月二十九日金曜日、午後六時三十分より、リトル・パド...
#村社会・閉鎖共同体
マギンティ夫人は死んだ 表紙画像
黄金期英国古典

マギンティ夫人は死んだ

アガサ・クリスティー
タブロイド紙の古い写真記事という小さな取っ掛かりから、村に潜む「過去を消した誰か」へと迫る、後期クリスティーの代表的な村ミステリ。1952年刊、ポアロ後期作。下宿屋の家政婦マギンティ夫人が殺害され、間借人ジェイムズ・ベントリイの死刑が...
#とにかく騙されたい
魔術の殺人 表紙画像
黄金期英国古典

魔術の殺人

アガサ・クリスティー
少女時代の旧友からの「妹のキャリイ・ルイーズが心配なの」という懇願を受け、マープルが訪れる先は、ヴィクトリア朝の古びた大邸宅ストーンゲイツ。隣接する非行少年更生施設、社会事業に身を捧げる三番目の夫ルイス・セロコールド、屋敷に同居する複...
#村社会・閉鎖共同体
葬儀を終えて 表紙画像
黄金期英国古典

葬儀を終えて

アガサ・クリスティー
大富豪リチャード・アバネシーがエンダビー・ホールで世を去り、葬儀の後に親族が遺言の読み上げに集う。誰もが「自然死」と疑わなかった空気を、末の妹コーラのつぶやきが引き裂く――「だって、あの人、殺されたんでしょう?」。翌日、彼女は寝室で惨...
#とにかく騙されたい
ポケットにライ麦を 表紙画像
黄金期英国古典

ポケットにライ麦を

アガサ・クリスティー
ロンドンの実業家レックス・フォーテスキューが、朝の紅茶を飲んだ直後に役員室で苦悶死。検死で判明する毒物はイチイから採れるアルカロイド「タキシン」、被害者の上着のポケットからは何故か一掴みのライ麦が。屋敷の名はユーツリー・ロッジ(イチイ...
#村社会・閉鎖共同体#見立て・暗号
ヒッコリー・ロードの殺人 表紙画像
黄金期英国古典

ヒッコリー・ロードの殺人

アガサ・クリスティー
ロンドンのヒッコリー・ロードに建つ国際色豊かな学生宿舎。ポアロの秘書ミス・レモンが珍しく心配ごとを抱える――その姉ハバード夫人が寮母を務める下宿で、聴診器・古ズボン・電球・ホウ酸の粉、そしてスープ皿に沈んだダイヤの指輪まで、脈絡のない...
#とにかく騙されたい
死者のあやまち 表紙画像
黄金期英国古典

死者のあやまち

アガサ・クリスティー
推理作家アリアドニ・オリヴァーが筋書きを書いた「殺人事件ハント」――参加者が手がかりをたどって被害者役を探す野外祭の遊び――が、デヴォン州のナス・ハウスで本番を迎える。当日、被害者役を演じていた少女マーリンが本当に絞殺された姿で発見さ...
#とにかく騙されたい
パディントン発4時50分 表紙画像
黄金期英国古典

パディントン発4時50分

アガサ・クリスティー
ミス・マープルの旧友マギリカディ夫人が、パディントン発4時50分の列車に揺られていた時のこと。並走しはじめた別の列車の車室で、ひとりの男が女の首を絞めている――その瞬間を、ガラス越しに目撃してしまう。しかし通報した警察は、死体も被害届...
#村社会・閉鎖共同体
鳩のなかの猫 表紙画像
黄金期英国古典

鳩のなかの猫

アガサ・クリスティー
クリスティー後期、1959年刊のポアロもの。舞台は英国の名門女子寄宿学校メドウバンク校。新学期、生徒・教師・親たちが集う華やかな学園に、なぜか中東の小国ラマットで起きた革命と、消えた王家の宝石の影がじわじわと忍び寄る――やがて深夜のス...
#とにかく騙されたい
蒼ざめた馬 表紙画像
黄金期英国古典

蒼ざめた馬

アガサ・クリスティー
霧の夜、ロンドンで神父が撲殺されます。歴史学者マーク・イースターブルックは調査を進めるうち、田舎に建つ古い宿屋〈蒼ざめた馬〉に行き着きます。そこは三人の女が暮らす家で、暗示の力で人を死に至らしめられると噂されていました。作家探偵アリア...
#怪奇と幻想の香り#不穏な余韻
鏡は横にひび割れて 表紙画像
黄金期英国古典

鏡は横にひび割れて

アガサ・クリスティー
セント・メアリ・ミードに越してきたハリウッドの大女優マリーナ・グレッグ。歓迎パーティで、地元の婦人ヘザー・バドコックがカクテルを飲んだ直後に急死――誰が見ても標的はマリーナだったはずなのに。タイトルはテニスン詩「シャロットの女」の一節...
#村社会・閉鎖共同体#おばあちゃん探偵
複数の時計 表紙画像
黄金期英国古典

複数の時計

アガサ・クリスティー
速記タイピストのシーラ・ウェッブは、ミス・ペブマーシュからの指名依頼を受けてウィルブラハム・クレセント19番地へ向かう。盲目の女主人が留守の応接間で待っていたのは、見知らぬ紳士の死体と、4時13分で時を止めた数個の置時計だった。語り手...
#とにかく騙されたい#クセの強い天才探偵#安楽椅子探偵
カリブ海の秘密 表紙画像
黄金期英国古典

カリブ海の秘密

アガサ・クリスティー
カリブ海セント・オノレ島のリゾート、ゴールデン・パーム・ホテル。甥のレイモンドの好意で病後の療養に訪れたミス・マープルが、椰子の葉ずれと潮騒に身を預けるところから物語は始まる。退役軍人パルグレイヴ少佐がマープル相手に長広舌をふるい「殺...
#村社会・閉鎖共同体#おばあちゃん探偵#歴史・異国ミステリ
バートラム・ホテルにて 表紙画像
黄金期英国古典

バートラム・ホテルにて

アガサ・クリスティー
ロンドンの一角、エドワード朝の佇まいをそのまま閉じ込めたかのような老舗ホテル「バートラム」。重厚な木の調度、暖炉の前で供される完璧なマフィン、白髪の紳士と気品ある淑女たち。甥レイモンドからの贈り物で二週間滞在に訪れたミス・マープルは、...
#村社会・閉鎖共同体#おばあちゃん探偵
第三の女 表紙画像
黄金期英国古典

第三の女

アガサ・クリスティー
ある朝、若い女性がポアロのもとを訪ねてきます。「わたし、人を殺したかもしれないんです」――そう言い残し、彼女は「あなたは年を取りすぎている」とつぶやいて去ってしまう。残されたポアロは、自尊心を傷つけられながらも、その曖昧な告白の正体を...
#とにかく騙されたい#クセの強い天才探偵
終りなき夜に生れつく 表紙画像
黄金期英国古典

終りなき夜に生れつく

アガサ・クリスティー
定職を持たず気ままに暮らす青年マイクは、「ジプシーが丘」と呼ばれる土地に心を奪われ、いつかそこに理想の家を建てることを夢見ている。やがて彼はその丘で富豪の令嬢エリーと出会う。表題はウィリアム・ブレイクの詩「無垢の予兆」の一節から採られ...
#不穏な余韻#心理サスペンス
親指のうずき 表紙画像
黄金期英国古典

親指のうずき

アガサ・クリスティー
老境にさしかかったトミーとタペンス。タペンスは、トミーの叔母エイダが暮らす老人ホーム「サニー・リッジ」を訪ねた折、同宿のランカスター夫人から「あなたのかわいそうなお子さん」「暖炉の裏に」といった謎めいた言葉を投げかけられ、胸騒ぎを覚え...
#凸凹コンビ・相棒#軽妙・ユーモア#不穏な余韻
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黄金期英国古典

ハロウィーン・パーティ

アガサ・クリスティー
「私、いつか殺人を見たことがあるの」――ハロウィーン・パーティの飾り付けの最中、13歳の少女ジョイス・レイノルズがそう口走った数時間後、彼女はリンゴ食い競争用の水桶に顔を突っ込んだ姿で発見される。子どもの法螺話だったのか、それとも本当...
#とにかく騙されたい#クセの強い天才探偵
復讐の女神 表紙画像
黄金期英国古典

復讐の女神

アガサ・クリスティー
亡くなった大富豪ジェイソン・ラフィエル氏の弁護士からマープルに届いた一通の手紙。彼が遺言で老婦人に託したのは「ある事件の調査」——ただし、何の事件かも、どこで起きたのかも明かされない奇妙きわまる依頼。手がかりは、英国の著名な邸宅と庭園...
#村社会・閉鎖共同体#おばあちゃん探偵
象は忘れない 表紙画像
黄金期英国古典

象は忘れない

アガサ・クリスティー
12年前の心中事件、その真相は夫婦のどちらが引金を引いたのか――推理作家オリヴァ夫人がバートン=コックス夫人から不躾な依頼を受け、ポアロとともに「象のように記憶のいい人々」を訪ね歩き、過去の断片を縫い合わせていく晩年クリスティの回想ミ...
#とにかく騙されたい#クセの強い天才探偵
カーテン 表紙画像
黄金期英国古典

カーテン

アガサ・クリスティー
舞台は『スタイルズ荘の怪事件』と同じスタイルズ・コート。語り手はヘイスティングス。原点に戻ったポアロは、過去に起きた五件の事件すべてに関わっていた人物「X」がいまこの屋敷に滞在していると告げる――。クリスティーが1940年代に書き上げ...
#とにかく騙されたい#クセの強い天才探偵#不穏な余韻
スリーピング・マーダー 表紙画像
黄金期英国古典

スリーピング・マーダー

アガサ・クリスティー
ニュージーランドから英国に渡ってきた若妻グウェンダ・リードが、海辺の町で出会ったヴィクトリア朝の家。階段の数、壁紙の柄、庭の小道――初めて訪れたはずのその家の隅々を、なぜか彼女はあらかじめ知っていた。やがてロンドンの劇場で観た芝居のと...
#村社会・閉鎖共同体#おばあちゃん探偵#不穏な余韻

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この記事を書いた人

リットン

都内金融機関で経営企画とデータアナリストをしているアラサー。
文系の非エンジニアですが、独学で始めた Python と生成AIにすっかりはまりました。
プログラミング・サッカー・ミステリ紹介など、好きなことを好きに書いています。

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