火村英生シリーズを読む順番 ―全28作の刊行順一覧と、〈国名シリーズ〉の整理
有栖川有栖の火村英生シリーズは『46番目の密室』から『日本扇の謎』まで全28作。守る決まりは「最初は『46番目の密室』」の一つだけ。全28作の刊行順一覧と、エラリー・クイーンにならった〈国名シリーズ〉10冊の見分け方、長編と短編集の並べ方を、仕掛けに触れずに案内します。
有栖川有栖の火村英生シリーズは、1992年の『46番目の密室』から2024年の『日本扇の謎』まで、全28作。英都大学の臨床犯罪学者・火村英生が、推理作家の有栖川有栖(アリス)を記録役に、現場で拾った事実から犯人を論理で詰めていく。30年を超えて書き継がれ、長編と短編集が入り混じるうえ、エラリー・クイーンにならった〈国名シリーズ〉という作品群まであるので、どこから読むか迷う人が多いシリーズです。
結論から言えば、決まりは一つだけです。最初は『46番目の密室』から。 残りの27作は、一冊ごとに事件が独立しているので、刊行順でも、国名シリーズだけ抜き出しても、気になる題名からでも読めます。このページでは、全28作の刊行順を一覧にし、「最初は『46番目』」を守る理由と、国名シリーズの見分け方、長編と短編集の並べ方を説明し、節目の作品を紹介します。
こんな読者のための一冊たち
- 「国名シリーズ」の題名は知っているが、火村英生シリーズ全体との関係が分からない
- 長編と短編集が入り混じる28冊を、抜けのない刊行順で見渡したい
- 探偵と記録役のコンビもの本格を、腰を据えて読み続けたい
以下、仕掛けには指一本触れていません。安心してお読みください。
全28作の刊行順 早わかり
年は初刊の年です。「国名」欄に印のある10冊が〈国名シリーズ〉。版元は講談社・角川書店(KADOKAWA)・光文社・新潮社・文藝春秋・幻冬舎・徳間書店と複数にまたがります。
| 順 | 書名 | 年 | 形式 | 国名 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 46番目の密室 | 1992 | 長編 | 〈密室の巨匠〉と呼ばれた推理作家が、自ら考案した46番目のトリックで殺されたのか。第1作 | |
| 2 | ダリの繭 | 1993 | 長編 | ダリに心酔する宝石チェーン社長が、神戸の別邸のフロートカプセルの中で死ぬ | |
| 3 | ロシア紅茶の謎 | 1994 | 短編6編 | ● | 〈国名シリーズ〉第1作品集。読者への挑戦付きの犯人当ても収める |
| 4 | 海のある奈良に死す | 1995 | 長編 | 「海のある奈良へ」と言い残した同業者が、福井の小浜で遺体に | |
| 5 | スウェーデン館の謎 | 1995 | 長編 | ● | 雪深い裏磐梯のログハウスで起きた殺人。国名の第2弾 |
| 6 | ブラジル蝶の謎 | 1996 | 短編6編 | ● | 殺された男の部屋の天井を、異国の蝶の標本が埋め尽くす |
| 7 | 英国庭園の謎 | 1997 | 短編6編 | ● | 英国式の庭の宝探しゲームのさなかに主人が殺される |
| 8 | 朱色の研究 | 1997 | 長編 | 毒々しいオレンジ色を恐れる教え子が、過去の事件の再調査を持ちかける | |
| 9 | ペルシャ猫の謎 | 1999 | 短編7編 | ● | 看板女優の誘拐、森下刑事が主役の一編、火村の猫好きがのぞく掌編 |
| 10 | 暗い宿 | 2001 | 短編4編 | 取り壊しを待つ民宿から東京の豪華ホテルまで、「宿」を舞台にした4編 | |
| 11 | 絶叫城殺人事件 | 2001 | 短編集 | 黒鳥亭、壺中庵、月宮殿……印象的な名を持つ六つの場所の事件 | |
| 12 | マレー鉄道の謎 | 2002 | 長編 | ● | マレーシアの避暑地で、内側から目張りされた部屋の犯行。日本推理作家協会賞受賞 |
| 13 | スイス時計の謎 | 2003 | 短編4編 | ● | 同窓会の当日に一人が殺され、腕時計だけが消える。「本格ミステリ・ベスト10」国内2位 |
| 14 | 白い兎が逃げる | 2003 | 中編4編 | 短編より長い分量で推理の筋道を落ち着いてたどれる中編集 | |
| 15 | モロッコ水晶の謎 | 2005 | 短編4編 | ● | パーティーの毒殺。屋敷にいた十人の誰がなぜグラスに毒を入れたのか |
| 16 | 乱鴉の島 | 2006 | 長編 | 無数の鴉が舞う孤島に隠棲する老詩人。「本格ミステリ・ベスト10」国内1位 | |
| 17 | 妃は船を沈める | 2008 | 連作 | 三つの願いを叶えるかわりに災いももたらす「猿の手」を大切にする女 | |
| 18 | 火村英生に捧げる犯罪 | 2008 | 短編8編 | 「とっておきの探偵にきわめつけの謎を」というファックスが火村に届く | |
| 19 | 長い廊下がある家 | 2010 | 短編4編 | 「幽霊屋敷」と別の家を繋ぐ長い地下廊下で男の死体が見つかる | |
| 20 | 高原のフーダニット | 2012 | 3編 | 双子の弟を殺めた、明日自首すると電話で告げた男が、翌日死体で見つかる | |
| 21 | 菩提樹荘の殺人 | 2013 | 短編4編 | 「若さ」を共通のモチーフにした4編。学生時代の火村を描く一編を含む | |
| 22 | 怪しい店 | 2014 | 短編5編 | 骨董品店、古書店、海辺の理髪店。「お店」を舞台にした5編 | |
| 23 | 鍵の掛かった男 | 2015 | 長編 | 大阪・中之島のホテルで死んだ長期滞在客は何者だったのか。長編としては9年ぶり | |
| 24 | 狩人の悪夢 | 2017 | 長編 | 眠ると必ず悪夢を見る部屋。翌日、右手首のない女性の死体が見つかる | |
| 25 | インド倶楽部の謎 | 2018 | 長編 | ● | 生涯の運命が記されているという「アガスティアの葉」。予告された死が現実に |
| 26 | カナダ金貨の謎 | 2019 | 短編5編 | ● | 国名の10冊目。学生時代の火村とアリスの出会いを描く一編を収める |
| 27 | 捜査線上の夕映え | 2022 | 長編 | スーツケースに詰められた元ホストの遺体。シリーズ誕生三十年の節目 | |
| 28 | 日本扇の謎 | 2024 | 長編 | 舞鶴の海岸で、記憶を失った青年が一本の扇だけを持って発見される |
読み方の決まりは一つだけ
最初は『46番目の密室』から。 理由は三つあります。
一つ目は、ここがシリーズの出発点だからです。臨床犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖が組み、30年を超えて続くシリーズの第1作。二人の関係と、火村が現場で何を見てどう詰めるかという型は、どの巻でも前提として扱われます。最初に見ておくに越したことはありません。
二つ目は、題材がこのシリーズの看板にふさわしいからです。45に及ぶ密室トリックを発表して〈密室の巨匠〉と呼ばれた推理作家が、クリスマスの北軽井沢の別荘で死ぬ。自ら考案した46番目のトリックで殺されたのか。密室を解く者ではなく作る者を事件の中心に置いた構図は、本格ミステリそのものを題材にした一冊で、このシリーズがどういう土俵で勝負するのかをはっきり示します。
三つ目は、あとが自由だからです。第2作以降は一冊ごとに事件が独立しています。国名シリーズだけ抜き出しても、長編だけ追っても、気になる題名から手に取っても、話が分からなくなることはありません。だからこそ、最初の一冊だけは決めておく意味があります。
〈国名シリーズ〉の見分け方
エラリー・クイーンにならい、国名を題に掲げた作品群が〈国名シリーズ〉です。1994年の『ロシア紅茶の謎』を第1作品集として、『スウェーデン館の謎』『ブラジル蝶の謎』『英国庭園の謎』『ペルシャ猫の謎』『マレー鉄道の謎』『スイス時計の謎』『モロッコ水晶の謎』『インド倶楽部の謎』『カナダ金貨の謎』と、2019年までに10冊が出ています。火村英生シリーズの中の一部であって、別のシリーズではありません。
10冊のうち長編は『スウェーデン館』『マレー鉄道』『インド倶楽部』の3冊で、残る7冊は短編集です。国名シリーズだけ順に読むのも一つの入り方ですが、その場合も『46番目の密室』を先に済ませてください。
長編と短編集の並べ方
28冊のうち、長編は『46番目の密室』『ダリの繭』『海のある奈良に死す』『スウェーデン館の謎』『朱色の研究』『マレー鉄道の謎』『乱鴉の島』『鍵の掛かった男』『狩人の悪夢』『インド倶楽部の謎』『捜査線上の夕映え』『日本扇の謎』の12冊。2006年の『乱鴉の島』から2015年の『鍵の掛かった男』まで9年のあいだは長編が出ず、短編集が続きました。腰を据えて読みたい人は長編12冊を刊行順に、通勤の合間に読みたい人は短編集を一編ずつ、という分け方ができます。
一つだけ順番に気をつけたいのが『カナダ金貨の謎』です。学生時代の火村とアリスの出会いを描く一編を収めているので、二人のやりとりに親しんだあとに読むほうが味が出ます。『菩提樹荘の殺人』の「探偵、青の時代」も学生時代の火村を描く一編なので、同じ扱いです。
途中で迷ったら ―節目の4作
46番目の密室(1992・第1作)
45に及ぶ密室トリックを発表し〈密室の巨匠〉と呼ばれた推理小説の大家・真壁聖一が、クリスマスの北軽井沢の別荘で死ぬ。自ら考案した46番目のトリックで殺されたのか、という問いが残されます。臨床犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖が組む第1作で、密室を解く者ではなく作る者を事件の中心に置いた構図が、出発点らしい緊張を生んでいます。
1992年に講談社ノベルスから刊行。シリーズで唯一、順番を守ってほしい一冊です。
マレー鉄道の謎(2002・第12作)
マレーシアの避暑地キャメロン・ハイランドを舞台に、火村と有栖川が異国の連続殺人に挑む〈国名シリーズ〉第6弾。旧友の招きで訪れた楽園で、内側から目張りされた部屋の犯行が起こり、その嫌疑は招待主に向かいます。帰国の便までという時間の枷が、旅情と推理を同時に締め上げます。
2003年、第56回日本推理作家協会賞を受けた長編。国名シリーズの長編3冊のうち、まず一冊と言われたらこれです。
乱鴉の島(2006・第16作)
火村と有栖川が、手違いで目的地とは違う島へ送られるところから物語は動きだします。無数の鴉が舞う島には高名な老詩人が隠棲し、その別荘には謎めいた人々が集まってくる。死の気配に覆われた孤島で、不可思議な連続殺人が起こります。
「本格ミステリ・ベスト10」2007年版で国内1位。この長編のあと、次の長編『鍵の掛かった男』まで9年のあいだが空きます。シリーズ前半の長編を締めくくる一冊として読んでください。
捜査線上の夕映え(2022・第27作)
2021年8月、大阪のマンションの一室でスーツケースに詰められた男性の遺体が見つかります。被害者は元ホスト。容疑者は早々に浮かぶものの、鉄壁のアリバイと捜査をかき回す「ジョーカー」の存在によって、事件は不可能犯罪の形をまとっていきます。
「臨床犯罪学者 火村英生シリーズ」誕生三十年の節目に書かれた長編で、緊急事態宣言が解けたあとの重い空気を推理の条件そのものへ組み込んだ点が新しい。週刊文春・このミス・本格ミステリの三誌で国内トップ10に入りました。長く続いたシリーズの現在地を確かめる一冊です。
残りの24作を、ひとことずつ
〈国名シリーズ〉の残り8冊
- ロシア紅茶の謎(1994)― 〈国名シリーズ〉の第1作品集で、全6編。動物園の猿山で見つかった遺体が握る暗号、乱歩へのオマージュとなる屋根裏の一編、パーティーで紅茶を飲んだ作詞家の毒死。読者への挑戦を挟んだ犯人当てまで含み、本格短編の型を一冊で見渡せます。 ▶ レビュー »
- スウェーデン館の謎(1995)― 雪深い裏磐梯を取材で訪れた有栖川が、地元で「スウェーデン館」と呼ばれるログハウスへ招かれ、殺人事件に遭遇します。国名の第2弾にして、国名シリーズ最初の長編。冬の静けさと論理を追う緊張が溶け合います。 ▶ レビュー »
- ブラジル蝶の謎(1996)― 国名第3弾、全6編。殺された男の部屋の天井を異国の蝶の標本が埋め尽くす表題作、誰にも読めない文字の日記、小指ほどの小さな鍵、密室から消えた若いカップル。各編の謎はそれぞれに形が違います。 ▶ レビュー »
- 英国庭園の謎(1997)― 国名第4弾、全6編。英国式の庭で催された宝探しゲームのさなかに主人が殺され、殺人と暗号の謎が重なる表題作のほか、偽造された遺書の唯一の瑕を犯人の側から描く「完璧な遺書」などを収めます。 ▶ レビュー »
- ペルシャ猫の謎(1999)― 国名第5弾、7編。劇団の看板女優の誘拐から始まる一編、大阪府警の森下刑事が主役を務める「赤い帽子」、ある女性の独白で進む「わらう月」と、視点の置き方が一編ごとに変わります。火村の猫好きぶりがのぞく掌編も添えられています。 ▶ レビュー »
- スイス時計の謎(2003)― 国名第7作、全4編。二年に一度の同窓会の当日にメンバーの一人が殺され、被害者の腕時計だけが現場から消える表題作を中心に収めます。「本格ミステリ・ベスト10」2004年版で国内2位、第4回本格ミステリ大賞候補。手がかりの提示と論理の詰めを正面から見せる一冊です。 ▶ レビュー »
- モロッコ水晶の謎(2005)― 国名第8弾、4編。社長宅のパーティーで起きた毒殺事件を扱う表題作では、屋敷にいた十人の誰がなぜグラスに毒を入れたのかを火村が論理で詰めます。助教授役で知られる俳優の誘拐を描く「助教授の身代金」など、趣向の幅も広い。 ▶ レビュー »
- インド倶楽部の謎(2018)― 国名第9弾の長編。生涯の運命が記されているという「アガスティアの葉」。神戸で開かれた私的なリーディングセッションに参加した〈インド倶楽部〉のメンバーが相次いで殺され、予告された死と現実の事件が重なります。「本格ミステリ・ベスト10」2019年版 国内5位。 ▶ レビュー »
- カナダ金貨の謎(2019)― 国名の10冊目、5編。殺人現場から一枚のメイプルリーフ金貨が消えた表題作をはじめ、「船長」と呼ばれた男の死、猫にまつわる一編、学生時代の火村とアリスの出会い、トロッコ問題を下敷きにした一編を収めます。二人に親しんでから読む一冊。 ▶ レビュー »
国名以外の残り15冊
- ダリの繭(1993)― サルバドール・ダリに心酔する宝石チェーン社長が神戸の別邸で殺される、第2作の長編。遺体はフロートカプセルの中で見つかり、トレードマークのダリ髭は消え、難解なダイイング・メッセージが残されていました。 ▶ レビュー »
- 海のある奈良に死す(1995)― 出版社で再会した同業者が「海のある奈良へ」と言い残して去り、翌日、福井の小浜で遺体となって見つかります。海のない奈良を指す謎の言葉の解釈に、小浜に伝わる八百比丘尼の人魚伝説が絡む、旅情と論理を両立させた長編。 ▶ レビュー »
- 朱色の研究(1997)― 毒々しいオレンジ色を恐れる教え子の貴島朱美が、火村にある過去の事件の再調査を持ちかけます。聞き取りを始めた矢先、火村宛に新たな殺人を示唆する電話が入る長編。「本格ミステリ・ベスト10」1998年版 国内9位。 ▶ レビュー »
- 暗い宿(2001)― 取り壊しを待つ民宿、石垣島のリゾートホテル、温泉旅館、東京の豪華ホテル。「宿」を共通の舞台にした4編で、火村の目線でほぼ一人の奮闘を描く「201号室の災厄」など、一編ごとに読み味が大きく変わります。 ▶ レビュー »
- 絶叫城殺人事件(2001)― 黒鳥亭、壺中庵、月宮殿、雪華楼、紅雨荘、絶叫城。印象的な名を持つ六つの場所で事件に向き合う作品集で、表題作ではホラーゲームの怪物の影が無差別殺人に差します。「本格ミステリ・ベスト10」2002年版 国内8位。 ▶ レビュー »
- 白い兎が逃げる(2003)― 4編の中編集。作家の双子の弟が殺される「不在の証明」、過激派に捕らわれた森下刑事が処刑の場に立ち会わされる「地下室の処刑」、看板女優につきまとう男の死を追う表題作など、短編より長い分量で推理の筋道を落ち着いてたどれます。 ▶ レビュー »
- 妃は船を沈める(2008)― 海に落ちた車から見つかった遺体の男は、「妃」と呼ばれる資産家の女性から多額の借金をしていた。三つの願いを叶えるかわりに災いももたらす「猿の手」を大切にしていた彼女の願いは何だったのか。「本格ミステリ・ベスト10」2009年版 国内7位。 ▶ レビュー »
- 火村英生に捧げる犯罪(2008)― 「とっておきの探偵にきわめつけの謎を」という犯罪予告めいたファックスが火村に届く表題作をはじめ、8編を収めます。ごく短い掌篇から短篇まで、長さも味わいも幅広い一冊。 ▶ レビュー »
- 長い廊下がある家(2010)― 山で迷った青年が「幽霊屋敷」で一夜を過ごした翌朝、別の家と繋がる長い地下廊下で男の死体が見つかる表題作のほか、火村が命を賭けたゲームを挑まれる「ロジカル・デスゲーム」など4編。 ▶ レビュー »
- 高原のフーダニット(2012)― さして親しくもない男が日曜日に火村へ電話をかけ、双子の弟を殺めた、明日自首すると告げるが、翌日、兵庫の高原で死体が見つかる表題作。推理で犯人に迫る2編に、異色作「ミステリ夢十夜」を加えた全3編。 ▶ レビュー »
- 菩提樹荘の殺人(2013)― 「若さ」を共通のモチーフにした4編。「アポロン」とあだ名された高校生が逃走する中で新たな事件が起きる「アポロンのナイフ」、学生時代の火村の推理を描く「探偵、青の時代」、アンチエイジングの旗手が庭で殺される表題作を収めます。 ▶ レビュー »
- 怪しい店(2014)― 骨董品店、古書店、海辺の理髪店など、「お店」を舞台にした5編。人の話をただ聞くだけの店「みみや」を営む女性の死をめぐる表題作のほか、殺人から小さな災難まで、事件の大きさも手触りも一編ごとに異なります。 ▶ レビュー »
- 鍵の掛かった男(2015)― 大阪・中之島のホテルで長期滞在客が死に、警察は自殺と断定する。納得しない作家・影浦浪子が有栖川と火村に調査を託します。『乱鴉の島』以来9年ぶりの長編で、現場の検証よりも一人の来歴を掘り起こす筆致が全編を貫きます。「本格ミステリ・ベスト10」2016年版 国内7位。 ▶ レビュー »
- 狩人の悪夢(2017)― ホラー作家に招かれた有栖川が泊まった、眠ると必ず悪夢を見るという部屋。翌日、右手首のない女性の死体が見つかります。週刊文春・このミス・本格ミステリの各ランキング上位に並んだ、怪奇の意匠と論理の両立した長編。 ▶ レビュー »
- 日本扇の謎(2024)― 舞鶴の海岸で、記憶を失った青年が一本の扇だけを持って発見される。舞台が京都市内へうつると、青年の周囲で不可解な密室殺人が起き、本人も忽然と姿を消します。シリーズの歴史を題名に織り込んだ、節目にふさわしい最新長編。 ▶ レビュー »
よくある質問
Q. 国名シリーズだけ読んでもいい?
A. 読めます。10冊とも火村英生シリーズの一部で、事件は一冊ごとに独立しています。ただし最初に『46番目の密室』を読んでから入ってください。国名シリーズのなかで一冊選ぶなら、日本推理作家協会賞を受けた長編『マレー鉄道の謎』です。
Q. 短編集と長編、どちらから入る?
A. 第1作『46番目の密室』が長編なので、入口は長編になります。その先は好みです。論理の詰めをまとめて味わうなら短編集、旅情や人物の来歴まで楽しむなら長編が向きます。
Q. 『日本扇の謎』は国名シリーズ?
A. 題名に「日本」を掲げた2024年の長編で、シリーズの歴史を題名に織り込んだ節目の一冊です。本サイトの書評では国名シリーズの冊数に含めていません。
Q. 続きは出る?
A. 2024年の『日本扇の謎』が、現時点でシリーズ最新の長編です。
決まりは「最初は『46番目の密室』」だけ。あとは国名シリーズを順に追っても、長編12冊を腰を据えて読んでも、短編集を一編ずつでも。火村とアリスの30年を、好きな道筋でたどってください。
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