虚構推理短編集 岩永琴子の密室
黒いベールの女傑の過去を使用人の幽霊がほのめかす。名家の秘密と儚い恋を収めた短編集。
一代で飛島家を政財界の華へ押し上げた女傑・飛島龍子は、いつも黒いベールをまとっています。孫の椿の前に使用人の幽霊が現れはじめ、老女の思いもよらない過去をほのめかす。
それが「飛島家の殺人」の発端です。一方の「かくてあらかじめ失われ……」では、首吊り自殺に見せかけた殺人があっけなく解決したあと、その裏に隠れていたささやかで儚い恋物語へと目が向けられます。
ほかに「みだりに扉を開けるなかれ」「鉄板前の眠り姫」「怪談・血まみれパイロン」を加えた5編を、九郎と琴子が開く《密室》の物語として束ねた、シリーズ3冊目の短編集です。2023年2月15日に講談社タイガから刊行されました。
収録作はいずれも、漫画版『虚構推理』に先立って小説の形で用意されたものです。
城平京について
城平京は1974年、奈良県生まれの作家・漫画原作者です。筆名は古都・平城京のもじりで、大阪市立大学を卒業しています。
1997年、公募アンソロジー『本格推理』に短編「飢えた天使」が載り、翌1998年、第8回鮎川哲也賞の最終候補作『名探偵に薔薇を』が創元推理文庫から刊行されてデビューしました。
その後は漫画原作でも大きな仕事を重ね、『月刊少年ガンガン』に連載された『スパイラル 〜推理の絆〜』はヒットシリーズになりました。ほかに『絶園のテンペスト』の原作も手がけています。
小説では2012年、『虚構推理 鋼人七瀬』で第12回本格ミステリ大賞の小説部門を受け、同作に始まる虚構推理シリーズを書き継いでいます。
書誌情報
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